資料の探し方

はじめに

このページでは、ゼミ活動・卒業論文作成に際して必要となる文献・資料の探し方について、具体的なアドバイスを書きます。なお、このページの内容は、ゼミナールでの活動を前提としたものであることをお断りしておきます。

1.情報検索の入口(ポータル・サイト)

◆国立国会図書館の提供するサービス

あるテーマについて資料を探したいと思う時、何から調べたらいいのか分からない、というのが多くの学生が感じることだと思います。この点について、国立国会図書館の提供する様々なサービスが役に立ちます。なかでも「リサーチ・ナビ」は、国会図書館のスタッフが主要なテーマ・キーワードについての基礎的な資料や参考文献を紹介する他、国会図書館が提供する様々なサービへの入口となっており、文字通り「研究の道案内役」としてとても有用です。また、「国立国会図書館サーチ」からは、国会図書館が所蔵する図書・雑誌以外にも、様々なデータベースから、図書、雑誌記事などをキーワード検索することができます。

◆国立情報学研究所「Genii 学術コンテンツ・ポータル

図書・雑誌情報、論文など、研究に必要な情報検索の窓口として重要なサイトです。なかでも「Webcat Plus」と「Cinii論文情報ナビゲータ」の2つは押さえておく必要があります。詳しくは以下の項目で説明します。

2.図書を探す

検索サイトを使う

Webcat Plus
図書について検索するときの最も基本的なサイトです。連想検索を使うと相当数の本がヒットします。本のタイトルをクリックすると、その本を所蔵する図書館の一覧のほか、本の目次を見ることもできます。ただし、ヒットした本が多くなるので、どの本が重要かをタイトルから判断するのが難しいのが欠点です。

◆大手書店のホームページ
比較的新しいトピックの場合は大手書店ホームページの検索を使うと、新刊書についてのかなり詳しい情報を得ることができます。

Amazon.co.jp
言わずとも知れた世界最大のネット書店(&ショッピングサイト)。購入履歴をもとに、関連する書籍の情報も提供してくれる。

丸善&ジュンク堂書店
丸善は丸の内・日本橋に店を構える大型書店。ジュンク堂は池袋に日本最大級の大型書店を構え、専門書の品揃えは首都圏で最も充実。両社は2010年に合併し、蔵書検索機能も充実しました。

紀伊国屋書店BookWeb
新宿西口と南口に店舗を持つ老舗の大型書店。

三省堂書店
語学辞書でも有名な三省堂は、大学からも近い神保町では最大の新刊書店です。実際に本を手にとって探すならココが一番。

想ーIMAGINE Book Search
様々なデータベースを横断的に検索できるサイト。もともとは「新書マップ」から派生したサイトで、キーワードを入力すると関連する書籍の情報が効率的に収集できます。

図書館や書店の棚から探す

検索などでとりあえず何冊か候補となる本が見つかったら、実際に図書館や書店に行って実物を確認しましょう。その際鉄則にして欲しいのは、 「実際に書架に行く」ということです。書架に行き目的の本を自分で探すと、その本の置いてある周辺に関連するテーマの本を多く見つけることができます。ネット時代でも「足で探す」 ことの意義は失われていません。

本の「参考文献一覧」から探す

上記の方法によって、もし「これだ!」という本が1冊見つかったら、必ずその本の巻末についている「参考文献一覧」をよく見てください。そこに は、著者がその本を書くに当たって使った本、あるいは、その本の内容に関連する重要な本のリストがあるはずです。また、こうしたリストが充実している本 は、内容も充実していることでしょう。実は、この方法が、最も効率的な文献探しの方法で、我々プロの研究者は、本を読むとき、最初にココをみています。

3.雑誌記事を探す

主要経済雑誌の記事検索

雑誌といっても、ゴシップ誌から専門誌まで、様々な雑誌があります。経済・経営系の調査・研究をする場合の資料として使う総合的な「経済雑誌」としては、
・『週刊東洋経済』(東洋経済新報社):「東洋経済新報」として戦前からの伝統を持つ。
・『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)
・『日経ビジネス』(日経BJ社):経済雑誌としては最大の発行部数
・『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)
の4誌をとりあえず押さえておくと良いでしょう。

具体的な記事検索は、国立国会図書館の「国立国会図書館サーチ」が便利です。キーワードを入れ、「記事・論文」を選択して検索すると、キーワードに一致する記事のタイトル、経済雑誌名、巻号(発行年月日)、掲載ページの 情報が手に入ります。
国立情報学研究所のCinii(論文情報ナビゲータ)は、国立国会図書館のデータに加え、国内の学術雑誌(主に大学の研究者が書いた論文が掲載されている)の論文検索もできます。

記事の閲覧は経済学部図書館で
見たい記事が見つかったら、経済学部図書館に直行しましょう。経済学部図書館は、主要な経済雑誌のバックナンバーを全て保存しています。多くは地下書庫に あるので、年ごとに製本してある雑誌の実物から、該当する記事を見つけてコピーを取ることになります(貸し出しは当日のみ)。一部の雑誌は館外書庫にある ため、閲覧できるまでに1~2日かかる場合があります。

4.新聞記事を探す

新聞記事は、現在、過去を問わず、その時点での情報や議論を知る上で重要な情報源です。日々のニュース記事に加え、「特集記事」として連載された記事は、雑誌記事と同じ位の情報量を持っています。

新聞記事データベースの活用
新聞記事については、近年新聞社が記事検索サービス、あるいはインターネットを通じた記事の閲覧機能を充実させているので、これらを使って検索をすること ができます(ただし有料サービスのため、大学内や図書館内でしか利用できない)。経済学部図書館では、朝日新聞社が提供する新聞記事データベースである 「聞蔵」が利用できる他、日本経済新聞社のデータベースである「日経テレコン21」も利用できます(詳しくは図書館カウンターに問い合わせてください)。比較的最近の新聞記事であれば、各新聞社のホームページで検索すると、記事が閲覧できる場合もあります。読売新聞は、比較的古い記事でも削除せずに残している方です。
また、図書館には主要新聞の「縮刷版」があります。特定の時期の出来事について調べるのであれば、検索を利用せずに直接当時の新聞記事から情報を探すというのも、手間はかかりますが有効な方法です。

◆新聞ライブラリー(横浜市)に行く
横浜市中区(みなとみらい線「日本大通り駅」に直結)に、新聞の専門図書館である「新聞ライブラリー」があります。ここに行くと、ほぼ全ての新聞の創刊号~現在までの記事を閲覧・複写することができます。また、主要な新聞社の記事検索システムを無料で利用することができるのも大きなメリットです(ただし 記事の複写は有料です)。新聞ライブラリーを訪問して記事のリストを作成し、実際の閲覧は大学図書館を利用する、というのが効率的な調査の方法と思いま す。

5.参考文献リストの作り方

実際に文献リストを作成するにあたっての書誌情報の表記方法について説明します。(表記方法は人により多少異なりますが、ここではゼミの卒業論文でも採用している表記方法を示します)。

◆図書の場合

図書(和書)の場合、必ず【著者・編者名】【出版年】【書名】【出版社名】を記すのが基本です。標準的な例を挙げると、

・岩田規久男(2005)『日本経済を学ぶ』(ちくま新書512)、筑摩書房。

のように書きます。書名は『』(二重かぎがっこ)を使います。

◆論文の場合

学術雑誌に収録されている、特定の筆者による「論文」の場合は、このように書きます。

・岸田真(2003)「1920年代日本の正貨収支の数量的検討――『在外正貨』再考」『三田学会雑誌』(慶應義塾経済学会)第96巻1号,61-90頁。

本の中の一論文の場合は、このように書きます。

・岸田真(2009)「第1次世界大戦から昭和恐慌期まで」浜野潔他『日本経済史1600-2000歴史に読む現代』慶應義塾大学出版会,151-200頁。

論文のタイトルは「」(一重かぎかっこ)、掲載されている本や雑誌のタイトルを『』でくくります。雑誌の場合は、巻号と発行年月日、掲載されているページまで書くのが正式なルールです。

◆雑誌・新聞記事の場合

雑誌・新聞記事の場合は、【記事タイトル】【掲載誌名】【巻号(雑誌の場合)】【発行年月日】が基本情報です。

・「消費者金融の明日 “サラ金難民”急増の不安–正義の味方のはずの法改正が劇薬に」『日経ビジネス』(日経BP社)1369号(2006年12月4日)、134~137頁。

・「5月のコンビニ売上高、11カ月連続減」『日本経済新聞』2007年6月20日。

記事の場合も、記事のタイトルを「」、掲載されている雑誌や新聞の名前を『』でくくります。執筆者が分かっている署名記事であれば、記事タイトルの前に名前を入れます。

◆インターネットからの引用の場合

インターネット上のページからの引用の場合は、【ページのタイトル】【サイト名】【URL】【閲覧年月日】を明記するのが基本です。また、インターネットのURLは変更される場合があるので、ページを印刷したものを保管したほうがよいでしょう。

・「資料の探し方」(岸田真研究室・ゼミナールホームページ)http://www.kishida-seminar.jp/?page_id=35(2013年4月3日閲覧)。

所蔵場所を記しておく

文献リストを作成する際、すでにその資料がどこに行けば手に入るかが分かっている場合には、その図書館名と請求番号などを一緒に書いておくと、後で必要になったときに便利です。
書誌情報のを正確に書くことは正直面倒なことですが、最初に調べた段階で正確に情報を記して置かないと、後でもう一度調べなおし、ということもよく起こります。特に共同研究をする場合には、「リストを見れば誰もがその資料にアクセスできるようにする」ことが重要です。